閑古鳥日記

劇団Studio Life(スタジオライフ)所属俳優 前田倫良さんと、ライフのみの話題を無理矢理続ける日記。

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『トーマの心臓』リーディング公演を見る。河内さんへの祈り。

1985年に、円出身の役者を中心に結成された劇団『Studio Life』スタジオライフの主宰、河内喜一朗さんが6月8日に病気で亡くなられました。

発表されたのが6月9日。
私は6月10日に現在上演中の『トーマの心臓』のリーディング公演を見る前に、サイトを見て、その事を知りました。

電車に乗っている時からすごく動揺していて、でも劇場に着いたら普通の雰囲気でちょっと落ち着いた。

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トーマの心臓 After the graduation

※トーマの心臓のリーディング公演
初演キャストを中心とした、朗読。

ユリスモール 山崎康一
オスカー 笠原浩夫
エーリク・トーマ 松本慎也

レドヴィ 石飛幸治
アンテ 及川健
ヘルベルト 楢原秀佳
バッカス 曽世海司
サイフリート 岩崎大

ナレーター 山本芳樹

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静かな朗読劇で、台本を読んでいく形式。芳樹さんが時々ト書きを読み、状況を説明してくれる。

河内さんが亡くなって、発表されて、最初の公演がリーディングだったのは演者にとっても、観客にとってもすごく良かったと思う。

正直ファンしかいなかったと思うし(全くライフを知らなくて初めて見る人が少ないと思われる)、朗読な分、素で泣いちゃっても許される部分があるから、演者も、観客も、トーマの物語に河内さんへの思いを馳せることができた。

河内さんが亡くなったのがトーマの公演中だったことに運命を感じる。
スタジオライフは、生と死と、人とのつながりを紡ぎだす劇団だから。
その最たる物語であるトーマ。
劇団の方向性を決定づけた作品でもある。
河内さんが選んだ美しい音楽がとても効果的に流れる、生と死と再生の物語。

今回実は先週も1回本編を見てるんだけど、トーマは正直25才でやっても40才でやってももう同じなんだなと思う。
歳月を経たからこその芳樹さんの柔らかなユリスモール。やっと自分が可愛い事を諦めてくれた(笑)、解放されたアニキのエーリク。とくにアニキは今回が一番好き。
それから、岩崎さんにはじめて笠原DNAを感じた。
岩崎オスカーの中には、彼自身が演じたちびオスカーと、彼が目の前で見てきた先輩の姿の両方が生きている。

年月を経てさらに輝くライフ役者の思春期力にとても感銘を受けていたので、オリジナルキャストの紡ぎだす物語にもとても期待していた。数日前。まさかこんな未来が待っているとは夢にも思わずに。

ヴェルナー仕様の山崎ユリスモール。見た目は素敵なおじさまなのに、ものすごくユリスモールだった。
原作でオスカーの語るユリスモールの姿が鮮やかに浮かび上がる。かつては本当にいい委員長だった彼が深く心を閉ざし、しかし常に心の中は激情で揺れ動く。

笠原さんのオスカーは本当にユリスモールを好きで、エーリクを可愛がりつつも対等の友人で、ちょっとひねてて、ミュラーを愛している。私は笠原オスカーが本当に大好きなんだと、改めて分かった。
笠原さんはいつもとても愛と切なさを感じさせるザライフな役者さんだけど、オスカーはやっぱり笠原さんの魅力を一番素敵に見せる役だと思う。

そして永遠のバッカス。曽世さん。リーディングでは、舞台ではない、オスカーとバッカスのトーマに負けそうなんだ会話とか、オスカーとエーリクのおとうさんいるじゃん会話とかが聞けて本当に幸せだった。
ミュラー仕様のそぜっちが幸せそうにオスカーとじゃれあってるのが私も幸せでした。
私は再々演からしか見ていないのでバッカスデビューは見ていないのだけれど、この時の「首の下の傷、サイフリートかい?」会話がめちゃくちゃ好きなので、この二人を再び見られて本当に幸せだった。

及川さんのアンテ。私の中の最高峰アンテは深山さんなんだけど、もうちょっと毒があるけど大好きなアニキのアンテ。
近年のアンテはなかなかこの二人を超える人がいないな・・・と思っていたが、そうではなくて、アンテ役を生身の人間でやれる人がいた事が奇跡だったのだ。と思う。
ふりむいてオスカー。がおかしくない。そして見た目もかわいい。すばらしい。

石飛さんの冒頭の詩で何かもう泣いた。石飛さんの色々な思いが詰まっているのを感じて。
石飛さんは中盤のトーマの詩の「それなら永遠に 僕には二度目の死はないのだ」あたりで詰まっちゃって、本編ではそんな事絶対になかったから、やっぱり、河内さんのことを思っていたのだと思う。

笠原さんが最後の「もし君が ぼくがここにいていいのなら」からの舎監室で、「愛しているって叫んでやる」のあたりで涙がぽとっと落ちて、ああ。やっぱり今笠原さんはミュラーへと、それから河内さんへの思いを込めているんだと思った。

いつだったか忘れちゃったのでうろ覚えなんだけど、ライフが東南アジアを回る公演をしてた頃の話を河内さんがしたことがあって。うろ覚えすぎるので色々間違ってるかもだけど、政情が不安定な国から次の国へなかなか出られなくて、本当に下手すると生きるか死ぬか位の状況だったけど、その時に無邪気に現地の子と遊んでる笠原さんたちを見て天使だと思ったと。絶対に彼らと無事に帰るという気持ちになったのと、その姿に慰められたというような話を何かでしてたことが、なぜかトーマの彼らを見てすごく思い出された。
やっぱり特に影絵とかやってる頃から、トーマ以前からずっと苦楽を共にしてきた人たちは特別な思いがあるだろうと。

今回。本編には出ていない笠原さんが居た事。石飛さんがレミゼ行脚してなくてトーマに出られた事。楢原さん復活タイミング。全部が間に合ってよかった。

楢原さんのヘルベルト。5人組はカットされてたので出番は少ないけど、ユーリの事を本当は結構好きで、いろいろいっぱいいっぱいな班長。がちらりと顔をのぞかせて可愛い。
そして今回の本役、シド。彼の淡々とした口調から深い愛が感じられるシドが好き。

しかし。サイ様はちょっと面白かった(笑)。
岩崎さんのサイフリートは大大大好きなんだけど、超足ながくて超かっこいい。
が。今回は基本的に静かなリーディングで、小道具もなく、静かに物語を紡ぎだしていくのだが・・・なぜかサイ様だけムチ持参。唯一の小道具が。ムチ。

最初何か持ってるな~なんだろ。と思ったらばムチでした。
そしてここだけエコーがかかり、サイ様よりもユーリの声の残響にびっくりした。

本編見ていても、どうしてもサイ様場面は若干面白いんだけど、聞いていてもやっぱりちょっと面白かった。
ごめんなさい。

そして。
ごめんなさい回顧の人になる。
久しぶりに、タマオカムバーック!!!!!と思ってしまいました。ごめんなさい。

今回は自分が出ていなくてもその場にとどまる事が割とあるため、まつしんエーリクは入りすぎて他の人に反応してがんがん泣いてしまい、もちろん自分の場面はちゃんとやってるけど、エーリクとしてはウェットすぎちゃったのが微妙だった・・・でも今普段ユーリだししょうがないとも思うんだけど。
まつしん自分の台詞までに立ち直れるのか??と心配になる位泣いてた。

まつしんはやっぱり小公子で、周りがお兄さんたちだったこともあって、本当に清らかなエーリクで、あれだけ好き好き言ってもちゃんと意味が伝わるところは本当にすばらしいと思う。

でもでもやっぱり、私としては、エーリクの無邪気さ、無鉄砲さ、結構きかん気なところ、そして時として誰よりも分かっている所を余すところなく表現していたと思う、児玉信夫エーリクの幻影を今なお追ってしまう。
とくに今回、他の二人がオリジナルキャストだったこともあり。

アニキもまつしんも「ぼくのつばさじゃだめ?」に感情がこもりすぎる。すごくウェットになっちゃうので、言葉にするのが難しいんだけど、エーリクには必要のない大人要素が入ってしまう気がする。エーリクとしては意味がこもってはいけないというか。ただ、今思ったことが思わず口をついて出てきた言葉だから。

この言葉をぽつんと投げ出すように言っていたタマオエーリク。聞きようによっては「え?棒読み?」て位にぽつんと言う。
でもエーリクはそういう子だと思う。
あとタマオさんの何が好きって、可愛ぶらない所。
アニキもまつしんも意外と自分の事を普通にしてても可愛いと思ってないっぽいため、14歳を意識してなのかすごく可愛らしぶっちゃう所がすごく気になる・・・。
今回のアニキが今までの中で一番好きなのは、あんまり可愛ぶらない所だと思うし。

でも、まつしんの清冽な魅力はすごく伝わったので、これから見るユリスモールはすごく楽しみになった。やっぱりアンタはユーリだよ。と思う。まつしん優等生だし、すごく空気読むし、一見穏やかだけどその実大変な激情家とか、ぴったりだと思う。

アンテもそうだけど、やっぱり、エーリクも、なかなか難しいな。ということではなくて、初演でぴったりの人を劇団内から見つけることの出来た事が本当に奇跡だったのだと思う。
タマオさんとは違うけど、確かにエーリクとして好き!!という相手には私はまだ出会えていないのだけど、今回の二人は正直エーリク???て思っているのでどうなのかな・・・。まだちゃんとした役少年十字軍しか見てないのでなんとも言えないけど、どっちもユーリっぽいイメージがあるのだが。ライフ内で選ぶのならば意外とLILIESで可愛さと儚さを出せた松村さんがよかったな・・・。
客演呼ぶなら大希君。11人でフロルを見てここに萩尾役者居た!!!と思い、次のマージナルやる時とトーマやる時はぜひ呼んでほしい。と切望してた。大希くんは、彼の感情は素直で贅沢だ。とか、「好き」という感情に対してなんの抵抗も持たずにきたという部分がすごくエーリクに合うと思う。
とか思ってるけど新人ズが予想に反してめちゃくちゃエーリク役者だといいな・・・。

そしてナレーターの芳樹さん。
正直淡々とテレビの副音声のように状況を説明されると何かちょっと面白くなっちゃう所もあったのだが、ユリスモール仕様の髪型で足を組んで淡々と話す芳樹さんのフォルムがとても美しかった。

過去に見た公演でその時々に自分が感じていたこと。
それからまんがのコマ。
河内さんの思い出。さんざん文句つけてたけど(笑)!河内さんがトーマで語り続けてきた言葉は、まさに置いて行かれた私たちへの言葉。「ごらん。永遠なるものを。」「わたしたちもいつかは同化し一体となり」「いつかはあの高みへと飛ぶだろう」。

河内さんは正直役者さんとしてはどうでしょうと思う事もたくさんありましたが、思い出すのはカーテンコールでいつも幸せそうに劇団員を紹介していた姿。楽しそうに大好きな事を語る姿。

さまざまな思いがあふれて、超大号泣したまま休憩に入ってしまったので非常に恥ずかしかった・・・。

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湖畔にて。

まんがを読んだことがないので、初めて触れる物語。
私は何気ない日常描写に本当に弱く、思い起こせばメッシュのラスト、二人が淡々と休日を過ごしている様子を聞いただけで大号泣した過去があるので、当然のように号泣。

静かで美しい夏のひととき。きらきらときらめく休日。満ち足りた時を感じた。こちらはアニキがエーリク。やっぱりアニキは今だからこそよかった。シドのいい感じに放っておいてくれる雰囲気もいい。オスカーが優しくてきらきらしている。
芳樹さんのナレーションがとても優しい。

とても美しい物語だった。

カーテンコールで、今の役者陣に台本を引き継ぎ演出も素敵だった。
藤波さん可愛い。

そして、実際には接することのなかった笠原オスカーと山崎ユリスモールとの時間を過ごした松本エーリク。
山崎さんから渡された本を静かに抱きしめる姿がとても美しかった。

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カーテンコールで、石飛さんから、河内さんが亡くなったことの報告がありました。
石飛さんや笠原さんたち、トーマ以前から居て苦楽を共にした方々はとりわけいろいろな思いがあると思う。
石飛さん号泣に観客も涙涙。
芳樹さんが泣いているのを初めて見た気がする。
仲原さんが号泣してるのを見て、ああ劇団の子なんだなと思う。

本編にちょっとだけ登場する人も、まったく本編には出てない人も、みんな集合するカーテンコールに感動してまた涙。
初演とか再演とかの役で出た人たちが本編ユリスモールエリアにいて、階段に現在の大人組。そしてそれぞれがポージング。
ああ。初演は見てないけどチラシはすごく覚えていて、だから、タマオカムバーックとも思ったけど、澤さんカムバーックとも思った。オリジナル八角メガネ。みんなだんだんやりすぎサイ様になっちゃってていてそれぞれ大好きなんだけど、やっぱりバランスという点では澤さんが一番よかった気が。サイ様は悪魔的に頭いい。とムチさばきうまい。とギーゼン衣装が似合う。とユリスモールの事なんだかんだ好き。という全てを満たすのが非常に難しい個性の人物なので。

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物語に泣き。自分とトーマの心臓との思い出に泣き。河内さんに思いを馳せ。
泣き疲れた。
本当にトーマは消耗する。

この日に見られてよかった。
今やっているのがトーマの心臓でよかった。いろいろな思いを、多分演者も、観客も、昇華できるから。

今パサジェルカとかだと救いがなさ過ぎて絶望的な気持ちになっちゃうし、夏夢とかだと楽しいけど泣きそうだし、じゃじゃ馬とかだとこの思いの行き場がない!!てなっちゃうし。

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ファンの方にとっては、たくさんの思いを持って、美しく繊細な物語を紡ぎだす劇団員と、自分の思いも一緒に昇華できる作品だと思う。

今回初めて触れる方は、事情はどうでもいいことで、でも、ただ、真摯にこの物語と向き合う劇団の美しさを堪能できると思います。

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先週トーマを見てきて、河内さんの事など知る由もない時に、私、スタジオライフが好きだな。トーマの心臓が好きだな。と改めて思えて、とても幸福感に包まれました。ものすごく消耗もしたけど。

何かの公演で、河内さんが「これから先自分がいなくなり、倉田さんがいなくなっても、スタジオライフをずっと続けていきたい」というような事をおっしゃっていて、ああ先の事を色々と考えているんだなと思っていた。
でもその先はもっとずっと本当に先だと思っていた。

これからプロデューサーのいなくなったライフがどうなるのか分からないけれども。これからも、スタジオライフらしく、倉田さんがやりたい世界を情熱を持って舞台化する、でも時々なぜそこ??みたいなお茶目な事をしつつも、新しい世界を見せてくれる劇団でありますように。

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サクラサクラコ

Author:サクラサクラコ
劇団Studio Life(スタジオライフ)の話題のみを無理矢理続ける日記です。
所属俳優:前田倫良氏(勝手につけた愛称「ミッチ」)を本人のあずかり知らぬ所で熱烈ひっそり応援中。

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