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閑古鳥日記

劇団Studio Life(スタジオライフ)所属俳優 前田倫良さんと、ライフのみの話題を無理矢理続ける日記。

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★優しすぎる人々の物語。『訪問者』

スタジオライフの「訪問者」の初演は残念ながら見ていないのだけれども、ちびオスカー君たちがトーマの心臓では何を演じているかというと・・・全員見事に違う事に今更気づいた。

ユリスモールとエーリクと、今回のオスカー。
(順に芳樹さん、玉城さん、岩崎さん)

うーん。アラケンはどこと言われたらユリスモールだと思うんだけど、でも、オスカーになってほしいよ~。
3年後位で、できればミュラーは船戸さんのままで。

今回のキャスト的には船戸さんがベストだけど、単純に今回のダブルオスカーだけを考えると、私笠原ミュラーを熱望してたし。
←前回の訪問者のミュラー。&やっぱり曽世さんには笠原DNAをすごく感じたので。


・・・ということで、私の聖域、訪問者です。


しかし。大好きすぎて何か確かめるように食い入るように見すぎて後半疲れた(笑)。
9年前は始まって10分で泣き始めラストまでほぼ全編泣いたのですが(笑)、今回は殆ど泣かなかった。

変な言い方だけど、「訪問者」という作品を見ながら同時に自分の人生に没入して死ぬほど泣いてたあの頃から、私は確かに成長したのだと、この物語を、ただ「訪問者」という作品として、ひとつひとつの場面を静かに味わってみる事が出来るようになったのだと、その事にちょっとほっとした。・・・と、確か前回のトーマでも言ったような気がするが。

・・・オスカー君に自分を重ねると言っても、別にあんな衝撃的な人生を歩んでる訳ではありません(笑)。もちろん。
誰でも共感できる色々な思いに対して。

もっとものすごく号泣するのではないかと思っていたから、穏やかに見終わった自分に何かすごくほっとした。


今回の訪問者は、高根さんも吉田さんも荒木さんも、そして船戸さんも皆基本的持ち味が、柔らかく人と向き合う人たちだから、とても優しい物語だと思った。だからお互いに残酷だと思った。

本当に抱えている思いは絶対に表に出せずに、ただ、無かった事として乗り切ろうとする。
少しずつ家族はゆがみ、一番いいたい事は言えないままに、真綿で首を絞めるように少しずつお互いを傷つけて行く。

最後まで彼らはお互いを本当に愛し続けているのに、誰もが幸せになれない。


思えば、前回の家族は今回とは真逆で、まず岩崎さんは存在自体が周りを断罪しまくる子で、グスタフの「そんな目で見るな」は今その場の事じゃなくて、多分オスカー君の人生分全てについて、言ってたと思う・・・。

甲斐さんはダメ度マックスで恋愛至上主義っぽいグスタフで、放浪癖とか過去のトラウマとか色々あるんだけど、結局全てはヘラが起点で色々起きてる人。だからオスカーに対しての感情がすさまじくぐるぐるしてた。ヘラに対しての思いもめちゃくちゃぐるぐるしてた。
ヘラ2人はどちらも方向性は違うけど、佐野さんは今でもずっとグスタフが好きで、だからオスカーを見るたびにぐさぐさ傷ついていく人で、石飛さんはあまりにも傷ついたからもう疲れちゃった、もう全部がどうでもいい。人だった。

結果、ヘラもグスタフも、オスカーを見るたびに罪を意識し傷つき苦しみ、終わりを求めてもがく人々だったような気がする。


今回の3人は・・・というか、まず高根グスタフはそんなにダメじゃない!!!(笑)。ごく普通にかっこいいですよアナタ。
「高根さんのお父さん役」と言えばダメ、というのがデフォルトだったので(ハピファミとか銀キスとか)、予想外にステキでびっくりであった。いや、行動自体はやっぱりダメダメだけど。

高根グスタフの場合は、トーマスとの出来事が、彼の人生を決定づけてしまったんだと思う。
「何故あなたなの」と言われ、酷すぎる父(岩崎さんここでも断罪っぷり遺憾なく発揮・・・。殿下=前回の父=はもうちょい奥田さん=前回のちびグスタフ=に冷静な人で、だから怖かったのもあるけど)に突き放され、自分でも「何で自分なんだろう」と多分思ってしまった。

彼はいつでも確かなものを探して、だけどそんなものは無いと思っていて、きっと表面ではうまくやってきたけど、心に虚無を抱えていたんだと思う。

そこにするっと入ってきたヘラとルドルフは、彼にとって最も輝かしい季節の最も大切な人たちだったんだと思う。

高根グスタフは、どう見てもヘラが好きなの丸分かりなミュラーに全然気づいてなかったり、ツッコミ所満載な人ではあるが、自分にとってものすごく大切なヘラを手に入れた後で、同じようにものすごく大切であるルドルフを知らずに裏切っていた事(←グスタフにとっては)にとても傷つく。
そしてそれを何も言わずに自分と結婚したヘラに対してちょっとだけ不信感を抱く。

子どもの事がある前から、初めからこの夫婦は少しずつすれ違っている。

何ていうか、人生の初めに虚無を抱える事になったグスタフの心はいつでもあの海にあって、何か耐えられない出来事があると「やっぱりそうだった」と諦めちゃう感じがする。
でも本当はそんなに簡単に感情が収まる事ではないから、自分でもよく分からない衝動に駆られて放浪するんだと思う。

目の前の人にばーんとぶつかるのではなくて、何事もない顔が出来るようになったところでその人の前に現われるのが優しさだと、なんでこの人は思ってしまうんだろう。切ない。

高根グスタフですごく印象に残っているのは、ヘラに「誰の子だ?」と問詰めておきながら、実際に答えを聞く事で彼の全てが崩壊する事。実は分かっているんだけど、実際にヘラの口から聞かされるという行為によって彼は壊れてしまう事がやり切れない。
お互い、オスカーも含めて分かっていても、それでもヘラが何も言わなかったらグスタフは見なかった事にしてやり過ごせたんだろうか・・・と考える。


高根グスタフのミューズにふさわしいお嬢さん、吉田さんのヘラ。髪型だけが無念だったが(泣)、やっぱり吉田隆太の女子度はすごいです。
何でこんなにこれぞ女子!!なヘラをこんなに普通に自然に演じられるんだろうこの人・・・怖い・・・(笑)。
・・・ていつも言ってる気がするが。吉田さんの女役見るたびに。

学生時代のキラキラ度が本当に素晴らしい。グスタフもルドルフもヘラを好きになるの納得。
今回のヘラは基本的にブレがない人だと思う。ちょっとミュラーにグラっと揺れてた気がする(特に佐野さん)前回のヘラとは違って。グスタフとミュラーの対比が「ちょっと危険男子・ステキグスタフ」VS「見合い相手NO.1ルドルフ」だった前回程極端じゃないのもあるかもだけど。
今回高根グスタフは普通にかっこいいし、船戸ミュラーは普通にやり手社会人になりそうな、健全でさわやか好青年でどっちもかっこいいもん。

ヘラはグスタフを好きになって、彼の闇を多分救いたいと思って、でもどうにもできなくて、でもいつでもどうにかしたいと思っている人なんだと思う。だから、ミュラーとの間で揺れ動いたりしてなくて、あくまでお互いにお互いの気持ちを結果的には利用しちゃったんだと思う。
「子どもがほしかった」のは、本当に言葉どおりほしかったんだと思う。
グスタフを繋ぎとめる絶対的な何か、自分の不安を解消できる何かが欲しくて。

結婚したばかりのヘラが、幸せなんだけど同時にちょっとした事ですごく不安に襲われてるように見えるのがすごく印象に残っているんだけど、賢い優等生であろうヘラには、この後起きるであろう未来を本当は予測していて、でも、そこは見ないふりして結婚生活に突入しちゃったんだなと思った。

ヘラがもっと強くてもっと居直れる人だったらよかったと思う。

前回見た時に、ヘラはほぼ自殺のように見えたんだけど、今回は最後まで死のうとは思っていない人に見えたから。
彼女は完全に破綻した家族の中で、健気すぎてイラっとするオスカーとか、自分の罪を抱えつつもそれに対してノーリアクションかつ放浪しにいくグスタフとかに対して、色々イライラしてるけど、でも、最後までグスタフの事愛してるし、オスカーのことも愛している。

ヘラはグスタフの弱さを最後まで本当には分かってなかったのか、分かってたからこそ、決定的な一言をあそこで発してしまったのか、とても気になる。

吉田さんを見ていてとってもリアルに女子だと思うのは、多分、相反するいくつもの思いが同時に走る感じを表現するのかとても上手いからだと思うのだけど、ヘラでもやっぱりとても印象的でした。

一人で家庭を背負いつつも、助けてグスタフ。と本当は思ってるんだろうなとか。
でも実は、グスタフを好きになった時から、本当の意味でこの人に感情を預ける事はできないだろうという不安感とか。
学生時代、ミュラーの気持ちに気づきつつもうまくかわしている感じとか。
オスカーの事を意外と素直に愛しているんだなと思う所とか。

ヘラはすごく激しい人だと、まんがを読んだ時と、前回の連鎖公演を見た時に思っていたんだけど、吉田さんのヘラは激しさよりも哀しさや切なさが前面に出てくる人でした。夫が高根さんだったからなのかもしれないけど。

二人のラストシーンというか、「愛なんて嘘。お互いに裏切り者同士だったんじゃないの?」と言うヘラと、誰の子か言われて「お前からは聞きたくなかった」というグスタフが、何で最後までお互いに愛しているのにこうなってしまったのかものすごく切なかった。

お互いがちょっとずつ弱くて、それだけなのに決定的にすれ違う。


そして問題の人、ルドルフ・ミュラー船戸さん。
何度も言ってるけど普通にかっこいいです。ミュラーが普通にかっこいいなんて!いや多分初演はかっこよかったんだろうな・・・浦さんだしな・・・。

本来健全で健康な人。大学時代はちょっと危うい友人グスタフを心から思って本当に仲良しだったんだなと思う。
グスタフに対してもヘラに対してもちょっとお兄ちゃんぽい。
ヘラがずっと好きで、でもグスタフにさらわれても、表立ってはさわやかに祝福し、影でちょっと泣いてそうな感じ(笑)。
でもヘラが幸せそうじゃない事について色んな思いがあって、たぶん自分に心が無いと分かっていても、それでもヘラが自分の所に来たのであれば受け入れちゃう、若さ故の暴走なんだけど冷静に暴走してるというか、ものすごく自覚的な感じがした。

今回やっと実現した通しミュラーで、ちょっとオスカーのキャラ全然違うよ!って所はあったが、でも、学生時代から始まり罪の子と確かに絆を築いて行く姿が見られて、荒木オスカーも、南米に行ったままの高根グスタフも、今は居ない吉田ヘラも、少しだけ救われたように思えた。

しかしやっぱり最初から結婚相手にはミュラーを選べばいいのにヘラ!と誰もが思うと思うんだけど(笑)、やっぱりグスタフみたいのに惹かれちゃうのが女子の基本なのでしょうか・・・。



前回の4人は、「夫婦とミュラーと、オスカー」という単位で出てきて、基本的に大人の様々な恋愛感情があって、そして生まれてきたオスカーとどう対するか、というお話だったと思う。
今回の4人は、「家族3人と、そしてミュラー」という単位で、あくまで家族3人が基本なんだと思った。
ヨーロッパっぽいのは前回かもしれないけど、今回の方がやり切れない度が高い。優しさがお互いにお互いを追い詰めて行くのが本当に切ない。
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サクラサクラコ

Author:サクラサクラコ
劇団Studio Life(スタジオライフ)の話題のみを無理矢理続ける日記です。
所属俳優:前田倫良氏(勝手につけた愛称「ミッチ」)を本人のあずかり知らぬ所で熱烈ひっそり応援中。

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