閑古鳥日記

劇団Studio Life(スタジオライフ)所属俳優 前田倫良さんと、ライフのみの話題を無理矢理続ける日記。

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『トーマの心臓』リーディング公演を見る。河内さんへの祈り。

1985年に、円出身の役者を中心に結成された劇団『Studio Life』スタジオライフの主宰、河内喜一朗さんが6月8日に病気で亡くなられました。

発表されたのが6月9日。
私は6月10日に現在上演中の『トーマの心臓』のリーディング公演を見る前に、サイトを見て、その事を知りました。

電車に乗っている時からすごく動揺していて、でも劇場に着いたら普通の雰囲気でちょっと落ち着いた。

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トーマの心臓 After the graduation

※トーマの心臓のリーディング公演
初演キャストを中心とした、朗読。

ユリスモール 山崎康一
オスカー 笠原浩夫
エーリク・トーマ 松本慎也

レドヴィ 石飛幸治
アンテ 及川健
ヘルベルト 楢原秀佳
バッカス 曽世海司
サイフリート 岩崎大

ナレーター 山本芳樹

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静かな朗読劇で、台本を読んでいく形式。芳樹さんが時々ト書きを読み、状況を説明してくれる。

河内さんが亡くなって、発表されて、最初の公演がリーディングだったのは演者にとっても、観客にとってもすごく良かったと思う。

正直ファンしかいなかったと思うし(全くライフを知らなくて初めて見る人が少ないと思われる)、朗読な分、素で泣いちゃっても許される部分があるから、演者も、観客も、トーマの物語に河内さんへの思いを馳せることができた。

河内さんが亡くなったのがトーマの公演中だったことに運命を感じる。
スタジオライフは、生と死と、人とのつながりを紡ぎだす劇団だから。
その最たる物語であるトーマ。
劇団の方向性を決定づけた作品でもある。
河内さんが選んだ美しい音楽がとても効果的に流れる、生と死と再生の物語。

今回実は先週も1回本編を見てるんだけど、トーマは正直25才でやっても40才でやってももう同じなんだなと思う。
歳月を経たからこその芳樹さんの柔らかなユリスモール。やっと自分が可愛い事を諦めてくれた(笑)、解放されたアニキのエーリク。とくにアニキは今回が一番好き。
それから、岩崎さんにはじめて笠原DNAを感じた。
岩崎オスカーの中には、彼自身が演じたちびオスカーと、彼が目の前で見てきた先輩の姿の両方が生きている。

年月を経てさらに輝くライフ役者の思春期力にとても感銘を受けていたので、オリジナルキャストの紡ぎだす物語にもとても期待していた。数日前。まさかこんな未来が待っているとは夢にも思わずに。

ヴェルナー仕様の山崎ユリスモール。見た目は素敵なおじさまなのに、ものすごくユリスモールだった。
原作でオスカーの語るユリスモールの姿が鮮やかに浮かび上がる。かつては本当にいい委員長だった彼が深く心を閉ざし、しかし常に心の中は激情で揺れ動く。

笠原さんのオスカーは本当にユリスモールを好きで、エーリクを可愛がりつつも対等の友人で、ちょっとひねてて、ミュラーを愛している。私は笠原オスカーが本当に大好きなんだと、改めて分かった。
笠原さんはいつもとても愛と切なさを感じさせるザライフな役者さんだけど、オスカーはやっぱり笠原さんの魅力を一番素敵に見せる役だと思う。

そして永遠のバッカス。曽世さん。リーディングでは、舞台ではない、オスカーとバッカスのトーマに負けそうなんだ会話とか、オスカーとエーリクのおとうさんいるじゃん会話とかが聞けて本当に幸せだった。
ミュラー仕様のそぜっちが幸せそうにオスカーとじゃれあってるのが私も幸せでした。
私は再々演からしか見ていないのでバッカスデビューは見ていないのだけれど、この時の「首の下の傷、サイフリートかい?」会話がめちゃくちゃ好きなので、この二人を再び見られて本当に幸せだった。

及川さんのアンテ。私の中の最高峰アンテは深山さんなんだけど、もうちょっと毒があるけど大好きなアニキのアンテ。
近年のアンテはなかなかこの二人を超える人がいないな・・・と思っていたが、そうではなくて、アンテ役を生身の人間でやれる人がいた事が奇跡だったのだ。と思う。
ふりむいてオスカー。がおかしくない。そして見た目もかわいい。すばらしい。

石飛さんの冒頭の詩で何かもう泣いた。石飛さんの色々な思いが詰まっているのを感じて。
石飛さんは中盤のトーマの詩の「それなら永遠に 僕には二度目の死はないのだ」あたりで詰まっちゃって、本編ではそんな事絶対になかったから、やっぱり、河内さんのことを思っていたのだと思う。

笠原さんが最後の「もし君が ぼくがここにいていいのなら」からの舎監室で、「愛しているって叫んでやる」のあたりで涙がぽとっと落ちて、ああ。やっぱり今笠原さんはミュラーへと、それから河内さんへの思いを込めているんだと思った。

いつだったか忘れちゃったのでうろ覚えなんだけど、ライフが東南アジアを回る公演をしてた頃の話を河内さんがしたことがあって。うろ覚えすぎるので色々間違ってるかもだけど、政情が不安定な国から次の国へなかなか出られなくて、本当に下手すると生きるか死ぬか位の状況だったけど、その時に無邪気に現地の子と遊んでる笠原さんたちを見て天使だと思ったと。絶対に彼らと無事に帰るという気持ちになったのと、その姿に慰められたというような話を何かでしてたことが、なぜかトーマの彼らを見てすごく思い出された。
やっぱり特に影絵とかやってる頃から、トーマ以前からずっと苦楽を共にしてきた人たちは特別な思いがあるだろうと。

今回。本編には出ていない笠原さんが居た事。石飛さんがレミゼ行脚してなくてトーマに出られた事。楢原さん復活タイミング。全部が間に合ってよかった。

楢原さんのヘルベルト。5人組はカットされてたので出番は少ないけど、ユーリの事を本当は結構好きで、いろいろいっぱいいっぱいな班長。がちらりと顔をのぞかせて可愛い。
そして今回の本役、シド。彼の淡々とした口調から深い愛が感じられるシドが好き。

しかし。サイ様はちょっと面白かった(笑)。
岩崎さんのサイフリートは大大大好きなんだけど、超足ながくて超かっこいい。
が。今回は基本的に静かなリーディングで、小道具もなく、静かに物語を紡ぎだしていくのだが・・・なぜかサイ様だけムチ持参。唯一の小道具が。ムチ。

最初何か持ってるな~なんだろ。と思ったらばムチでした。
そしてここだけエコーがかかり、サイ様よりもユーリの声の残響にびっくりした。

本編見ていても、どうしてもサイ様場面は若干面白いんだけど、聞いていてもやっぱりちょっと面白かった。
ごめんなさい。

そして。
ごめんなさい回顧の人になる。
久しぶりに、タマオカムバーック!!!!!と思ってしまいました。ごめんなさい。

今回は自分が出ていなくてもその場にとどまる事が割とあるため、まつしんエーリクは入りすぎて他の人に反応してがんがん泣いてしまい、もちろん自分の場面はちゃんとやってるけど、エーリクとしてはウェットすぎちゃったのが微妙だった・・・でも今普段ユーリだししょうがないとも思うんだけど。
まつしん自分の台詞までに立ち直れるのか??と心配になる位泣いてた。

まつしんはやっぱり小公子で、周りがお兄さんたちだったこともあって、本当に清らかなエーリクで、あれだけ好き好き言ってもちゃんと意味が伝わるところは本当にすばらしいと思う。

でもでもやっぱり、私としては、エーリクの無邪気さ、無鉄砲さ、結構きかん気なところ、そして時として誰よりも分かっている所を余すところなく表現していたと思う、児玉信夫エーリクの幻影を今なお追ってしまう。
とくに今回、他の二人がオリジナルキャストだったこともあり。

アニキもまつしんも「ぼくのつばさじゃだめ?」に感情がこもりすぎる。すごくウェットになっちゃうので、言葉にするのが難しいんだけど、エーリクには必要のない大人要素が入ってしまう気がする。エーリクとしては意味がこもってはいけないというか。ただ、今思ったことが思わず口をついて出てきた言葉だから。

この言葉をぽつんと投げ出すように言っていたタマオエーリク。聞きようによっては「え?棒読み?」て位にぽつんと言う。
でもエーリクはそういう子だと思う。
あとタマオさんの何が好きって、可愛ぶらない所。
アニキもまつしんも意外と自分の事を普通にしてても可愛いと思ってないっぽいため、14歳を意識してなのかすごく可愛らしぶっちゃう所がすごく気になる・・・。
今回のアニキが今までの中で一番好きなのは、あんまり可愛ぶらない所だと思うし。

でも、まつしんの清冽な魅力はすごく伝わったので、これから見るユリスモールはすごく楽しみになった。やっぱりアンタはユーリだよ。と思う。まつしん優等生だし、すごく空気読むし、一見穏やかだけどその実大変な激情家とか、ぴったりだと思う。

アンテもそうだけど、やっぱり、エーリクも、なかなか難しいな。ということではなくて、初演でぴったりの人を劇団内から見つけることの出来た事が本当に奇跡だったのだと思う。
タマオさんとは違うけど、確かにエーリクとして好き!!という相手には私はまだ出会えていないのだけど、今回の二人は正直エーリク???て思っているのでどうなのかな・・・。まだちゃんとした役少年十字軍しか見てないのでなんとも言えないけど、どっちもユーリっぽいイメージがあるのだが。ライフ内で選ぶのならば意外とLILIESで可愛さと儚さを出せた松村さんがよかったな・・・。
客演呼ぶなら大希君。11人でフロルを見てここに萩尾役者居た!!!と思い、次のマージナルやる時とトーマやる時はぜひ呼んでほしい。と切望してた。大希くんは、彼の感情は素直で贅沢だ。とか、「好き」という感情に対してなんの抵抗も持たずにきたという部分がすごくエーリクに合うと思う。
とか思ってるけど新人ズが予想に反してめちゃくちゃエーリク役者だといいな・・・。

そしてナレーターの芳樹さん。
正直淡々とテレビの副音声のように状況を説明されると何かちょっと面白くなっちゃう所もあったのだが、ユリスモール仕様の髪型で足を組んで淡々と話す芳樹さんのフォルムがとても美しかった。

過去に見た公演でその時々に自分が感じていたこと。
それからまんがのコマ。
河内さんの思い出。さんざん文句つけてたけど(笑)!河内さんがトーマで語り続けてきた言葉は、まさに置いて行かれた私たちへの言葉。「ごらん。永遠なるものを。」「わたしたちもいつかは同化し一体となり」「いつかはあの高みへと飛ぶだろう」。

河内さんは正直役者さんとしてはどうでしょうと思う事もたくさんありましたが、思い出すのはカーテンコールでいつも幸せそうに劇団員を紹介していた姿。楽しそうに大好きな事を語る姿。

さまざまな思いがあふれて、超大号泣したまま休憩に入ってしまったので非常に恥ずかしかった・・・。

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湖畔にて。

まんがを読んだことがないので、初めて触れる物語。
私は何気ない日常描写に本当に弱く、思い起こせばメッシュのラスト、二人が淡々と休日を過ごしている様子を聞いただけで大号泣した過去があるので、当然のように号泣。

静かで美しい夏のひととき。きらきらときらめく休日。満ち足りた時を感じた。こちらはアニキがエーリク。やっぱりアニキは今だからこそよかった。シドのいい感じに放っておいてくれる雰囲気もいい。オスカーが優しくてきらきらしている。
芳樹さんのナレーションがとても優しい。

とても美しい物語だった。

カーテンコールで、今の役者陣に台本を引き継ぎ演出も素敵だった。
藤波さん可愛い。

そして、実際には接することのなかった笠原オスカーと山崎ユリスモールとの時間を過ごした松本エーリク。
山崎さんから渡された本を静かに抱きしめる姿がとても美しかった。

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カーテンコールで、石飛さんから、河内さんが亡くなったことの報告がありました。
石飛さんや笠原さんたち、トーマ以前から居て苦楽を共にした方々はとりわけいろいろな思いがあると思う。
石飛さん号泣に観客も涙涙。
芳樹さんが泣いているのを初めて見た気がする。
仲原さんが号泣してるのを見て、ああ劇団の子なんだなと思う。

本編にちょっとだけ登場する人も、まったく本編には出てない人も、みんな集合するカーテンコールに感動してまた涙。
初演とか再演とかの役で出た人たちが本編ユリスモールエリアにいて、階段に現在の大人組。そしてそれぞれがポージング。
ああ。初演は見てないけどチラシはすごく覚えていて、だから、タマオカムバーックとも思ったけど、澤さんカムバーックとも思った。オリジナル八角メガネ。みんなだんだんやりすぎサイ様になっちゃってていてそれぞれ大好きなんだけど、やっぱりバランスという点では澤さんが一番よかった気が。サイ様は悪魔的に頭いい。とムチさばきうまい。とギーゼン衣装が似合う。とユリスモールの事なんだかんだ好き。という全てを満たすのが非常に難しい個性の人物なので。

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物語に泣き。自分とトーマの心臓との思い出に泣き。河内さんに思いを馳せ。
泣き疲れた。
本当にトーマは消耗する。

この日に見られてよかった。
今やっているのがトーマの心臓でよかった。いろいろな思いを、多分演者も、観客も、昇華できるから。

今パサジェルカとかだと救いがなさ過ぎて絶望的な気持ちになっちゃうし、夏夢とかだと楽しいけど泣きそうだし、じゃじゃ馬とかだとこの思いの行き場がない!!てなっちゃうし。

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ファンの方にとっては、たくさんの思いを持って、美しく繊細な物語を紡ぎだす劇団員と、自分の思いも一緒に昇華できる作品だと思う。

今回初めて触れる方は、事情はどうでもいいことで、でも、ただ、真摯にこの物語と向き合う劇団の美しさを堪能できると思います。

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先週トーマを見てきて、河内さんの事など知る由もない時に、私、スタジオライフが好きだな。トーマの心臓が好きだな。と改めて思えて、とても幸福感に包まれました。ものすごく消耗もしたけど。

何かの公演で、河内さんが「これから先自分がいなくなり、倉田さんがいなくなっても、スタジオライフをずっと続けていきたい」というような事をおっしゃっていて、ああ先の事を色々と考えているんだなと思っていた。
でもその先はもっとずっと本当に先だと思っていた。

これからプロデューサーのいなくなったライフがどうなるのか分からないけれども。これからも、スタジオライフらしく、倉田さんがやりたい世界を情熱を持って舞台化する、でも時々なぜそこ??みたいなお茶目な事をしつつも、新しい世界を見せてくれる劇団でありますように。

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★『LILIES』を見終わったけど色々考える&反動がくる

こんなにまだまだLILIES脳とか言ってるくせに反動がきて、まったく何も残らない作品、ヨーロッパ企画 イエティ「燃えろ!アストロ闘病記」を見に行ってしまった(笑)。
全然闘病していない!!酒井さん好きだ!!骨折兄弟が素敵すぎる!!私が一番好きなのは彼らの最終手段「今から猫の画像をUPする」!!爆笑!!!!

ということで、多分ライフ好きでイエティ見てる人は世の中に3人位しかいないような気もするが(ヨーロッパは好きだけどイエティは私も初めて)、時間もLILIESの半分くらいで終わるし、ただただくだらない戦いを行うキャラ芝居、だが実は結構世の中に対しての皮肉もアリ?な彼らも良かったら見てみてください。
といっても今回は終わっちゃったけど。ヨーロッパ上田さんの緻密でぐだぐだな世界が大好きなんだけど、イエティのただただくだらない、ストーリー自体はないよ~という世界もたまには良いと思います。

しかしライフの素晴らしいところは、こういう作品にも出られちゃいそうな役者陣がいることだよな。
船戸さんとか奥田さんとか全然出られる。でも意外にミッチとかは存在がなんか綺麗っぽくなっちゃいそうなのが微妙だな・・・。
でも若手陣はそう考えるとなんだかんだ綺麗すぎてダメだよな。かっこいいのにどっちもいける人々は貴重だ。


・・・世の中の3人位しか分からない話題ですみません・・・。

ついでにマニアックな話題を。私は「真夜中の弥次さん喜多さん」が大好きで、今年再演された時ももちろん見に行ったのだが。鈴木さん(すーさんの方)がツイッターで見に行ったことを書いてて、こういうザ・小劇場も行くんだ~と意外だった。
そして「クリプトグラム」を見に行った時は劇場前で内藤大希君を見たので、大希くんはこういう作品も好きなんだ~と意外だった。あと大希くんてすごいちっちゃい人イメージがあったが、それは単にライフのでかい人に囲まれただけだった・・・。うん。まつしんも至近距離で見るといつも思ったより大きいなって思うからそれと同じだな。


さていきなりLILIESの話に戻る。

今回のLILIESは若返った気がしたけどよく考えたらシモンヴァリエが若いだけか!と思い、思わず前回までの役者年齢一覧表を作って検証するという謎の行為をしてみた(笑)いや、全員の年齢はしらんけど。

・・・今回は現代シモンビロドーと過去シモンヴァリエの年齢差が出来たことで、なんか若い雰囲気になったのか!ということと、現代シモンビロドーがある程度年齢を重ねた人がやれることで物語に深みが増してよかったなと思った。

なんか今回ビロドー若いな。とか新人多いな。みたいに思ってたけど、初演当時はそもそも人数いないから新人をがんがん入れてたので、2年目で主役とか主要キャストは20代前半とか普通なんだったことを思い出した。

今更だけど、佐野さんて訪問者ヘラ20代前半でやってるんだよな・・・。

「平均年齢」で言えば初演高根組がほぼ全員20代(すっかり忘れてたけど裏キャスで石飛さんが神父さまで入っていて、多分彼が唯一の30代と思われる)で一番若い。
青木さんが今回若手に対して色々おもうところを語っていたが、多分それは自分の経験から来るものなのであろう。初演てまだ6がいなくて(劇団自体には入ってたかもだが舞台に出たのは3か月後なのでLILIES時点では5が一番下)で21位だし。

ここは現代シモンビロドーと過去シモンヴァリエの役者実年齢が横一線でその他キャストはみんなそこから下だったので、やっぱり現代シモンビロドーはなんだかんだ若すぎて数十年間思い続けた感は難しかったけど、とにかく切なさは出た。当たり前だけど地続き感がすごく出たから。
あと、現代シモンビロドーが鶴田船戸コンビという、現実に10代からの時を共有しているアドバンテージが効いてた。

初演の印象はとにかく両チームとも、一番強烈な印象を残す役者の勢いがすなわちチームの印象だったなと思いだす。

高根組は「芳樹ブラックホールに否応なく皆が巻き込まれる話」だった。私には。なんかもう好きとか愛してるとかの問題じゃなくて、芳樹さんと関わったらもう巻き込まれていくのです。運命は決まっている。

私が初めてLILIESと言う作品に接したのは甲斐班なので、高根さんのチームはもう話知ってるんだけど、でも、なんかハムレットみたいに最後全員死ぬ話なのかなとどうしても思いながら見てた。当時。

今思えば林さんの伯爵夫人とかも若かったんだな。

前回の2009年版で全体の年齢がかなりあがって、客演も大人を呼んでたから全体に大人なLILIESだったけど、今回はいい感じに劇団内で上と下を割り振る事ができるようになっていて、劇団を見続けることの楽しみはこういうところにもあるなと思った。

2002年は1チームは40年後でも同じ年齢の役者しかいなかったけど、11年後にはこの時19才役だった人を現代の方に持ってきて、19才役を若い役者に振れる。


あとLILIESは同じ役はあまりやらない傾向があって、思えば初演と同じ役してるの今回は楢原さんと船戸さんだけだと思うんだけど、その前にやった役が今回の役に常にさまざまに影響している感じも好き。

リディは毎回別の人で全部で10人もいるのでリディだらけなんだけど・・・よく考えたら初演シモンヴァリエは高根さん除いてみんな別の時にリディやってるのか!特に芳樹リディはヴァリエやってたことが活きた感じがする。(再演甲斐さん・再々演芳樹さん・今回の曽世さん)新納は前回同時にやってたしなリディ。

そして初演ヴァリエは今回の現代シモンビロドーでもあるので・・・今回の現代シモンビロドー、2組4人がリディなんだよな・・・なんかすごいな。

わりとカンパニーの中で過去ビロドー役が一番若いことが多いんだけど、でもやっぱりここはシモンヴァリエビロドーが無理なく同じ年に見えてほしいので、今回のバランスが一番よかったと思う。どの組も。
が、いい感じな割にビロドーおかしな子度高いのが無念なんだけど(泣)。

そう言えばミッチのユー男爵夫人は貫録あるから忘れてたけど20代でしたねミッチの実年齢。
うーんミッチにはいつかビロドー司教をやってほしい妄想があったんだけど、今回の新演出だとちょっと違うかな・・・。いっそリディをやってほしい。
見たい。

★加賀乙彦&軽井沢演劇部朗読会『死の淵の愛と光』に行く。

私が最後にLILIESを見てから1週間経っちゃったけど、未だにLILIESから抜けられない日々です。

先週はLILIES見て、少年十字軍読んで、岩崎さんと岳大さんの軽井沢演劇部の朗読会で初めて教会に行って、なんだかキリスト教づいていた週末だった。

LILIES見てすぐに見たのが軽井沢演劇部の朗読会だったのはすごくいろんなことを考えて感慨深かったです。

私はクリスチャンではないし、ミッション系の学校にも通ったことがないのでキリスト教への思いや信仰という問題がどうしても感覚としてつかめない所はあるんだけど、この流れでいろんなことに接することができたのはよかった。

軽井沢演劇部はずっと行きたかったけれども初めて行けました。

神田教会に行ったのも初めてだった。
今回は加賀乙彦さんがいらしたり、正田昭の手紙を朗読するということもあって、演劇部ファンというよりも教会にゆかりのある方々が見にいらしている感じで、教会の荘厳で落ち着いた雰囲気の中で、クリスチャンとなった正田と文通をしている女性の生き生きとしたやりとりを聞くことができたのはとても貴重な経験でした。

正面の舞台でいうと上手に岳大さん、下手に岩崎さんが座り、交互に正田昭の手紙を朗読する。
岳大さんはナレーションも担当。ナレーション時は立ち上がって上手側の手前に出てきて立ったまま朗読。

下手の手前に矢代さん。矢代さんは文通をしていた若い女性の手紙を読む。

恥ずかしながら加賀乙彦は知っていても読んだことがなく、バー・メッカ殺人事件も知らなかった。正田昭がどんな人かも。
個人的には、死刑ということについて、殺人を犯した人について自分の考え方とかスタンスはあるんだけど、今回はそういうことはいったん置いておいて、ただ、二人の交流を見ている感じだった。つねに死を前にしていながら生き生きとした日常を送る彼の強さと、それを支える信仰、そしてそれは二人の親交の根底にあるんだなということを、とても感じた。

久しぶりに岳大さんを見られたけど、岳大さんは声が明るく開放的で力強い。
岩崎さんはナイーブで優しい。
全然違う個性の二人が同じ人の手紙を読んでいるのだが、同じ人の別の一面に光が当てられているように見えてよかったと思う。

二人は背が高くてすらっとしているので、なんてことない白衣装が非常に映えて美しかった。
久しぶりにコスプレじゃない岩崎大を見られてすごくうれしい。
何か最近イケメン舞台のラスボスばっかり見てた気がするので(泣)。いや、イケメン舞台じゃなくても割と悪い役要員な気が。

私は岩崎さんの落ち着いた語り口がとても好きで、とくに家族に思いを寄せるナイーブな空気感がとても好きなので、お母さんへの最後の手紙がとくに印象に残った。

岳大さんは岩崎さんよりも客観的で強くて前を向いている印象があるので、手紙の中では普通に生き生きとした日常生活を送っているかのように書かれている部分のキラキラ感がすごく印象的だった。でも本当は死刑を待ちながら狭くて何もない場所でただ生きているのに。


矢代さんが本当に明るく溌剌として光として存在していて、すでに亡くなっている事を知らずに書かれている手紙の明るさがとても複雑な響きをもつ。
明るくて可愛くて聡明でけっこう無鉄砲な人なんだろうなと思う。


手紙自体は1969年、死刑が実行されるその日まで書かれている。
44年前のこと。
そして今回は、その時の文通相手の女性が教会にいらしていて、最後に加賀さんといろいろお話をされたのがとても印象的だった。

彼女が話し始めた途端に何か急に泣く。

たぶん、44年前の手紙を今ここで聴いて、そしてそこから様々な経験を経たこの方の現在の姿を目の当たりにして、その歳月に圧倒されたのだと思う。
彼女の手紙を読んだ矢代さんの明るく生き生きとした姿に、彼女の44年前が鮮やかに浮かび上がり、今穏やかにここにいらっしゃることに「生きている事」の強さを感じたというか。
あとやっぱりシスターとしての静かで強い信仰とか、やっぱり可愛い方だな~とか、手紙の印象と全然ぶれない姿に感動したんだと思う。

加賀さんのことを「こんなに単純で素敵な方」と評するところとか、すごい素敵だなと思った。

この朗読会を歴史のある教会で聴けたのもとてもよい経験でした。

あと単純に岩崎さんとがっくんの見た目がかっこよかった(笑)。
矢代さんの奔放な愛らしさ、天真爛漫な明るさはこの作品に光を与えてくれたけど、アフタートークの矢代さんもやっぱり同じで、多分いつもよりもずっときっちりした雰囲気だったんだろうけどもちょこちょこ可愛くてお茶目だった。
岳大さんの素直で大らかな空気感がやっぱり好きだなとか、あと誰かが話している時にその人をじっと見つめてうなづく岩崎さんが本当昔から全然変わってないな~と思ってやっぱり好きだなと思ったり、アフタートークな3人+2人も含めて素敵な時間を過ごせたなと思った。

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そしてまだまだLILIES脳なので、現実に「44年前に自分がもらった手紙と、自分が出した手紙の朗読を聞いて、当時のことをみんなにお話ししてくれる」という体験をして、LILIESという作品の根底である「ビロドー司教が40年前のできごとを見せられる」という設定の重みを改めて感じた。

現実の彼らは、かたや死刑囚として死に接していて、かたや光の中にいる若い女性で、でも、お互いに信仰でつながっている。当時の郵便事情で、最後の手紙が届くのが遅れて、彼女は彼の死刑が執行されたことを知らずに本当になんてことない日常の話題を明るく書いているのが本当にドラマみたいなんだけど・・・今、年齢を重ねたこの方が本当に素敵な方で、シスターだからかお話もうまくてすごく感動した。彼女の中の44年の歳月がこの頃のことをどう消化したのか、今にどうつながっているのかがすごく伝わってきた。

なかなかできない貴重な体験をしたなと思う。
あと全然関係ないけど教会のクリスマスの飾りつけとか、ステンドグラスとか、パイプオルガンの響きとか、教会の雰囲気自体もすごく素敵だった。行けてよかった。

『LILIES』を見る。関係性の物語。

LILIES、先日一体どのチームを見たのか定かではない感想を書いてしまったが、先週見たのは、芳樹曽世班と笠原船戸班。すみませんチーム名覚えられない・・・。

そして先日、前回見られなくて一番見たかった、倉本藤原チームを見てきた。

が。LILIESという作品はトーマと並ぶ、その日の自分の体調によりまったく入れない時はぼんやりして終わるという本当に消耗する作品なんだなということが分かった・・・涙。

先週笠原チームを2列目で見て、今回は一番後ろの方で見たというのもあって、何かもっと没入したかったよ~(泣)と思いましたが、でもやっぱりこの作品は本当に面白いなと思う。

倉本藤原チームは、半分くらい、もう見た人なんだけど、その立ち位置がぜんっぜん違う。

今まで見たLILIESの中で、何か一番ソフトな印象の残るチームだった。
それぞれの人がそれぞれの相手に全然攻撃的ではないと感じたからだと思うのだけれども。

特に青木さんが対ヴァリエも対リディもまったく攻撃的ではない。
そぜっち相手の時はあんなに「ザ・戦い!!!!」みたいだったのに。堀川リディが予想外に柔らかい印象でいろんな現実に結構素直に傷つく人だったのもあるかもしれないけど。

こっちのヴァリエに対してはあくまで現実の中で演じている人で、あんまり激しくない。ただもしかしたら前回前で見たからいろんな表情が全て拾えて印象が違っているだけかもしれないけど。


松村ヴァリエを見てすごく初演を思い出したのだが。
なんでかなと考えて、ヴァリエのシモン必要度の切実さが初演と同じ位つよいヴァリエだからか!と。

ヴァリエのシモン必要度は、ヴァリエ役の持ち味でもシモンが誰かでもなくて、伯爵夫人によって規定されるのだなと。

青木さんが本当にザ・青木隆敏全開でものすごくふり幅の大きなお母さんだった。対松村ヴァリエだと。
伯爵夫人は回を追うごとに現実の中で生きている感が強まっている印象があったが、青木さんは久々にヴァリエの足元が不安定になるお母さんだなと。
あまりにフェアリーで少女のまま大人になってしまった人で、もちろん演じているのだが時々本当にどこかへ行ってしまう。と思うと突然現実の「わかっている」お母さんになる。
ヴァリエにとっては母親と世界を共有していると思っているが、本当には分からない。
変なたとえだけど、萩尾望都のまんがに出てくるお母さんみたいな存在。

ロベルバールに、このお母さんと二人の世界に置いて行かれたら本当にヴァリエは辛いだろうと、絶対にシモンに置いて行かれたくないだろうと思う。

松村ヴァリエにとって、仲原シモンは健やかな光で、彼によって自分の世界を安定させている。
手紙も書いちゃうよね!婚約パーティも乗りこんじゃうよね!とすごく彼の行動が理解できた。


松村さんはどちらかと言うと、まつしんとかに近い、結構ロベルバールに置いて行かれたら自分で何とかできそうな子に見えちゃうんじゃないかな~と見る前は思っていた。
↑まつしんは実際にも自分で何とかしていけそうな子だったので見終わった後に色々違和感が出てきたんだけど、シモンが激烈恋愛至上主義芸風な新納氏で、彼がすごい勢いで引っぱり切ったので見ている間は全然気にならなかった。

けど、意外と強さよりも脆さや儚さが感じられたのは、青木さんがお母さんだったのも大きいかなと思う。
あまりに強烈な母親の世界と常に対峙しなくてはならない彼は、どうしても基本的な彼自身の世界が安定しない。

だから、ただ、シモンに惹かれることとはまた別に、切実に、シモンが必要なんだと。


・・・と思ってたんだけど、青木さん藤森さん相手の時はこんなに振り幅大きくないよね??
そして藤森さんは全然揺るがない子だったよ青木さん相手でも。

と、今回のシャッフルされているチームを見て大混乱したのであった。


藤森さんは不思議な人で、LILIESという作品は割と演者が狙ってやってるわけじゃないだろうな~と思う所で思わぬ見え方をするように思うのだが、今回の藤森さんは彼の持ち味と多分まだできないからであろう所が渾然一体となり独特の存在になってたと思う。

現実的に働いて母親を支えているという点では普通にしっかりしているのだけど、でも基本的にすごく若くて無垢で幼くて透明な人。独特のおっとり感というか、受け身感というか・・・先日名誉会員とひたすらLILIES語り会をした時に、なんていうかすべてを諦めているというか、すべて身にふりかかった現実をさらさらと受け入れていき、でも自分から積極的に何かを動かそうとはしない、という印象から「くさっても貴族」だと思ったのでは?て結論になったのだが、基本的に藤森さんは他人によって自分は揺らがない。

お母さんが変でも、シモンが行ってしまっても、ビロドーにいやな事言われても、それによって自分自身が揺らぐ程に彼を揺らしはしない。すべてを淡々と受け入れ、そしてそのまま朽ち果てていきそうな子。

ちょっと脱線。今日少年十字軍を読んだのだが、何かもう藤森さんエティエンヌやるしかないよね。と思ったらやっぱりエティエンヌ役なのね。今回藤森さんに感じた印象が何かもうエティエンヌだったので、すごくぴったりだと思います。

藤森ヴァリエだと、お母さんがものすごく変でも、自分に理解できない世界に飛んでも、意外とそのままに淡々と柔らかく受け入れて素直に愛し返してくれる。そこで不安定にならない。
だから、シモンが切実に必要かというと、「好き」だけど「必要」ではないと思う。



仲原さんはトークショーの時に倉田さんに3人ヴァリエの印象を聞かれて「松村はこの通り猪突猛進で」「どちらもパワー系」「藤森は容姿端麗で・・・」(と言った瞬間の松村さんの「え????」て反応が面白かった。そうだよね。僕は???て思うよね・・・)「独自の美学を持ってる」(だったかな?そういう感じの言葉)「久保は見つめたら半目になってて」「守ってあげないかん!と思った」と語っていて、面白かったんだけど。

最後に「でも元彼のこと忘れるの大変なんですよ!!」「元カノも!!」「元オヤジも!!」と叫んでいたが(笑)基本的には同じキャラクターのまま別の3人に対しているんだけど自然に別の人間関係が醸し出されてすごく面白かった。

仲原さんのシモンは現代シモンのためにという思いが強い囚人だと感じたが、対笠原さんの時はティモシー役の時に対峙する時がすごく印象的で、対倉本さんの時は囚人として現代シモンに接している時が何か印象的だった。一瞬の視線の絡み合いとかだけど。


あと堀川リディのことは好きだよね。と思う。こちらのチームは普通に三角関係の話に見える。堀川リディが意外にもあまり嘘をつかない、普通にいろんなことに傷つく、シモンを素直に愛してる人だったのもあり、シモンは彼女と共鳴している。二人は似ていると思う。

曽世リディ相手だと「この地獄から抜け出したい。助けてリディ。」て思わず手を取ったけど本当に愛しているのはヴァリエで、バスタブでその事をはっきりと自覚する、という展開に見えるんだけど、堀川リディだと、リディと一緒に本当に逃げ切れるかもと思いつつヴァリエを目の前にすると揺れるし、でもリディが来るとやっぱりリディと何とかなると思っちゃうし・・・と揺れてる感じに見えた。


今回仲原松村コンビがかなり好きなんだけど、なんで好きなのか考えてみたのと、あと、前も書いた再演高根芳樹コンビの何が好きなのかを思い出してみた時に・・・私の中の流れとして、キツネ狩りでぽきっとヴァリエの世界が折れる→シモンがそのすべてを引き受けようとする→ビロドーに邪魔される→勇気を見せる。な展開が好きなんだなと。


藤森さんのヴァリエは割といろんなことが同じ地平に乗ってる感じがするので、あまり感情が激しく上下しない感じがする。叫んでいても。
なので仲原藤森シャッフルはもちろん最初からこのコンビで組めばまた違う世界だったかもしれないけど、やっぱり仲原さんはご本人おっしゃる所のパワー系である、感情の振り幅が大きく切実に自分を求めている傷ついた小鳥松村ヴァリエと組んだ方が活きるし、藤森さんは嘘の中で生きる大人たちの世界で生きていけない翔音シモンとともにこの世界から逃げる方が合ってると思うのでした。

が、シモンとヴァリエだけだとそうなんだけど、それ以外の人間関係的にこの二人組んでまた全然違う世界になったので、そこはすごく面白いと思う。

松村さんが楢原さんと組んでいたらどうなったのかなとか、仲原松村コンビに堀川さんを投入して最大限に苦悩する仲原さんが見たいとか、いろいろ考える。

★『LILIES』をみる。

とりとめないけど思ったことをとりあえず羅列のつづき。

今回演出がかなり変わったので見え方が全然異なっていてとても面白かった。

あとやっぱり役者陣の絡まりでまったく別の世界になる作品なので新たな発見があったり。

だがやっぱり私が一番好きなLILIESが今もって再演高根組なのは、子どもビロドーが変な子じゃなくて切なさが絶対に必要。と思っているからなんだよな・・・。

今回のビロドーは基本何かすごく変な子になっちゃってる(特に千葉さん)のが非常に無念であった。

今回キャストだと無理だけど、本当奥田さんを投入したかった・・・。妄想キャストだと深山さん。
ライフの切なさ担当にここはひとつ「にも関わらず見せる切なさ」の真髄を。
でもまだ見てない宇佐見さんも変な子らしいので、演出がそうなのかな・・・シモン劇団としてはそうかもだけど、やっぱり、「ヴァリエが来るまでぼくたちいつも一緒だった」が感じられるビロドーがいい。

ああこんな子だったらそれはビロドーとは友達になりたくないよね。ではなくて、それぞれ異なる価値観を持っている子たちで、だから決定的に合わないんだ。ということが、そしてビロドーが特殊な子でなくて、彼は単にこの土地の中で生きるごく普通の子なんだと、分かるのが好きなのです。

曽世さんは絶対ビロドー似合うと思っていたけどやっぱり素晴らしく合っていたと思う。
あと「顔が綺麗な人」がビロドーやるのって何かすごくいいと思った。端正なだけにその自分に嘘をつき続けてその事自体に気づいていない奇妙にゆがんだ世界が強調される感じがする。


あと曽世さんの別チームのリディは思いがけず意外と嘘つきじゃない素直な女性が可愛くてだから可哀想だった。
だがなぜか時々疲れた50代みたいになる時が。30代の魅力的なパリジェンヌじゃなかったのかリディ。

仲原松村鈴木3人組は、まず見た目バランスがよい。
今まで全然気にしてなかった「シモンとビロドーは僻地の子」「ヴァリエはパリから来た外国人」という違いが視覚的に表現されていたと思う。まあ松村さんが濃くてあと二人が薄いって事だが、ヴァリエの異邦人感が強まった。
鈴木さんが若干変な子なのが残念だけど、本来もっと切ない系できる人なので演出なのかなやっぱり(泣)。

仲原さんは髪型がちょっと日本の高校生バレー部。みたいになっちゃってたけど、「田舎の優等生」「常識人」であることがすごく伝わる存在で、今までそう言えば気にしてなかったけど、リディとのやり取りがすごく自然だった。なるほどリディはこの子を気にいる!分かるわリディ!!!と思う。
常識人ゆえにヴァリエが好きであることは絶対に自分に対して認められないけど、相手は躊躇しないで真っ直ぐ来るし、実際目の前にすると揺れるし。何か生まれて初めて人を好きになったんだな。ていう感じとか、リディに対して物慣れない感じとか、そうだよシモンてこういう子だよ!と初めて腑に落ちたことがたくさんあった。

松村さんは歴代NO.1小悪魔だと思う(笑)。
相手が朴訥シモン仲原さんなのもあるけど、健康的な芳樹さんというか恋愛ハンターだなシモンなんてころりと落ちるな。っていう、抜群のタイミングで絶対この子の事捨てられない!!!!と相手に思わせる表情をする。
今回松村さんのお母さんが青木さんで、青木さんが結構息子にとってはフェアリーすぎて自分が絶対に守らないと!!て存在なので、松村ヴァリエはシモンに置いて行かれることへの絶望と恐怖がとても強い。置いて行かれた後の壮絶な孤独感では初演の曽世ヴァリエに近い印象。
彼にとって絶対に必要な存在がシモンなんだなととても分かる。

松村さんの本質は可愛い系ではないと思っていたけど、ヴァリエすごく可愛かった。彼は普段自分で思っているよりも強く表現されている印象があるので、可愛い役やると企んでる風になるアニキ系な印象だったんだけど、今回は思ってたよりも儚さがあってびっくりした。ヴァリエは揺るがなさがポイントだと思ってたんだけど、松村さんは自分に対して意外と揺れている。

ヴァリエってもっと強気な子だと思ってたけど、割とビロドーに言われたことにがんがん傷ついちゃったり。だがそんな傷ついた小鳥のようなヴァリエを見たらシモンは絶対に彼を置いてパリなど行けるはずはないのであった。
この子は置いていけないでしょう。ここぞという時に本人は意識していないがすごく可哀想オーラを放っていた。可哀想。そしてとにかく可愛い。

あ、今回演出が変わったのもあるけど、仲原囚人はラスト起き上がる時まで、ヴァリエ役の囚人にものすごく優しいのも好き。
高根芳樹組の普段は全然仲良くなさそう。てやさぐれ2人組も大好きなのだが。何か仲原囚人は基本的に囚人仲間に優しい感じが好き。現在シモンに対してもすごく熱い思いをもって、シモン役をやっていると感じる。


ビロドー司教船戸さんは、よく戻ってきてくれた!やっぱりアナタはビロドーだよ!!と思った。
笠原さんとのバランスもよかった。
船戸さんのビロドーはすごく切ないところが好きなんだけど、やっぱり船戸チームだと「ソドムとゴモラだー」て叫んで語り始めるあたりから号泣。

笠原さんがティモシー役をやりながらも同時に現在のシモンであり続けてもいることがすごく印象に残っていて、だから全体に現在の彼らを常に強く意識してみる事になる。

あ、私LILIESのバスタブと言えば船戸さんをチェックするのが楽しみのひとつなのに!今回席が前過ぎて、シモンと月食が起きてしまい船戸さん全く見えず(泣)。となりの笠原さん見てやっぱり泣く。だがビロドーも見たかった。
ここ今までは、シモンはビロドーを糾弾している印象が強かったんだけど、今回のシモンは二人とも当時に心が戻っている。目の前の二人のキラキラ感との対比がより切なくて苦しい。

翔音藤森千葉組。
こちらのチームは彼ら3人が突出して若いので、大人たちとの対比が非常に鮮烈で、若さゆえの純粋さと残酷さをつよく感じた。

でも芳樹シモンが強烈だったので、正直あんまり翔音氏を見てなくてあんまり印象に残ってなかったり・・・ごめん。
何かすごく清らかな二人な印象だった。清浄すぎてこの世の汚濁の中では生きていけない二人は自分たちの本当を守るべく二人の世界へ旅立とうとするがビロドーに邪魔される、というような。

藤森さんが柔らかな印象のヴァリエで、しっかりしてるんだけど、でも一方でくさっても貴族。というおっとり感があって、本当に言葉のひとつひとつが本当に思ってる感じの素直さがあって印象的だった。

まあただ正直二人の動きに若干の段取り感があり、なるほどラブ感とは相手のとのゼロ距離な感じとかナチュラルな近づきすぎ感が必要なんだなと思った。でもシモン劇団だから囚人の劇なのでそれもありかと。


今回また新たに発見した初期設定がたくさんあり、また演出が変わって印象が変わったところもあり、とても面白かった。

と同時に、初演の甲斐さんのシモンの偉大さも思った。
正直甲斐さんのシモンは、戯曲が要求しているであろう初期設定要素をひとつも満たしていない。と思う。
19才であることとか。僻地の子だとか。優等生であることも。「だって、女の子とつきあった事なんてないんだから」とか。いや何かリディとの関係性がジゴロみたいでしたが!キス手馴れすぎだろ。(←そして当時私の心のシャッターが下りてどん引きしてしまったのであった。純粋だったわ・・・いやでも今見ても引くかな・・・。ちなみにリディは倉本さん)
だが正直そんなことはどうでもよくなる圧倒的な熱量で、ビロドーに対して本物のシモン以上に敵意を燃やし、シモンのために、そして自分の中の何かのために「LILIES」という作品を強い情熱で引っ張りきっていた。

今回の演出になって、今こそ、甲斐さんには本物シモン役をやってほしいです。
彼の熱い情熱とともに紡ぎだされる新たなLILIESが見たい。「シモンが演じているティモシー」がより強調された世界で、どんな新たな物語が生まれるのか見たい。ビロドーは対比で言えばそぜっちがいいけど、それだと初演シモンヴァリエになっちゃうか・・・うーん。


あと、まさかの第一相手役がティモシーだった、LILIESなのに第一主題が「親子の物語」なシモン岩崎大さんが出るべきだったのは今回演出だった気がする。

仲原シモンと松村ヴァリエを見て「ぼくたちは何もかも違っていた」ことを初めて意識して、自分と違う世界の人だからこそ二人はより強く相手に惹かれるんだなと思った。
そういう意味では前回の岩崎・村上チーム、ヴァリエ親子が客演なのは正しい選択だったのか!だが村上さんが普通に馴染んでたのとそもそも半分客演だったから特に違和感はなかったのであった。


切なさ担当の船戸ビロドーにはやっぱり今更だけど深山さんの子どもビロドーで見てみたいな~。
ていうか今回の演出で、前回妄想した「高根包囲網」キャストが見たい(笑)。
高根研一がただただ追いつめられるLILIES。


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プロフィール

Author:サクラサクラコ
劇団Studio Life(スタジオライフ)の話題のみを無理矢理続ける日記です。
所属俳優:前田倫良氏(勝手につけた愛称「ミッチ」)を本人のあずかり知らぬ所で熱烈ひっそり応援中。

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